インテリアコーディネーター 住空間のデザイナー
資格取得にかかる期間(目安)
3カ月〜6カ月
インテリアコーディネーターは、クライアントのライフスタイルを理解し、要望に合った住空間をデザインする仕事です。幅広い知識や専門的な技術をいかして、家具やカーテン、照明などのトータルプロデュースを行います。顧客とのコミュニケーションを通じて、どのような部屋を望んでいるかを上手に聞き出し、それを具現化します。内装の建材や照明器具、家具などに関する広範な知識をもとに、アイデアとセンスをいかした住まいの提案につなげます。
活躍の場は、個人住宅だけでなく、店舗やオフィス、公共施設など、さまざまです。顧客の予算や希望を考慮しながら、最新のトレンドや機能性だけでなく、顧客が真に望む空間を創り出す、やりがいがある仕事です。
インテリアコーディネーターになるには
インテリアコーディネーターとして働くには、一般的に大学や専門学校をした後、住宅や家具メーカー、インテリアショップ、設計事務所などに就職します。必ずしも資格は必要ありませんが、クライアントの信頼を得るためにはインテリアコーディネーターの資格はあったほうが有利です。経験と能力次第で、複数の建築会社と専属契約を結んで、フリーで活躍することも可能です。
資格を取得する方法は、専門学校やスクールなどがありますが、最近では通信講座で独学で勉強し、資格を取得する人も多いようです。
・20歳から学ぶインテリアと空間デザインの専門学校 SDC
・テキストと動画で好きな時間に学べる 日建学院
・二次試験対策も動画で無理なく学べる通信教育 ユーキャン
試験について
インテリアコーディネーター資格試験は、学科の一次試験とプレゼンテーションの二次試験からなります。
一次試験の範囲
・インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
・インテリアコーディネーターの仕事に関すること
・インテリアの歴史に関すること
・インテリアコーディネーションの計画に関すること
・インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
・インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
・環境と設備に関すること
・インテリアコーディネーションの表現に関すること
・インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
合格は7〜8割の正解が目安になります。
合格率は20〜25%。簡単な試験ではありません。
なお2023年から一次試験の方式がマークシートからCBT方式に変更になります。CBT方式とは受験から採点まで全てパソコン上で行われる方式です。近年は多くの資格試験で採用されている方式で、試験を実施する「インテリア産業協会」が指定した全国の試験会場でパソコンを使って受験します。
一次試験だけ合格した人は、次年度から3年間は一次試験が免除され、二次試験のみの受験が可能です。なお、3年間の免除期間が過ぎた場合は、振り出しに戻って再度一次試験からの受験が必要になります。
二次試験
二次試験では、インテリアの基礎知識をもとに、プレゼンテーションと論文が出題されます。実践的なインテリアの計画と提案をするスキルあるかどうかが問われます。一次試験の合格者のみが受験可能です。二次試験の合格率は55〜60%。一次試験に比べて、一見、簡単そうに思えますが、複数回チャレンジして合格した人を含む数字です。難しい試験と捉えておきましょう。
プレゼンテーション
条件を満たす図面作成から色鉛筆による着色、仕上げ表の完成まで求められます。まず平面図で計画の全体を表し、次に他の図面を組み合わせてプレゼンテーションを完成させます。試験対策は、過去問の模範解答の「トレース」を行って感覚をつかむことから始めるといいでしょう。
・平面図
・立体図、展開図、断面図、パース図、アイソメ図、家具図
・着色
・仕上げ図
論文
住まいやインテリアに関して起こりうる状況・問題に対して500〜600文字で意見をまとめます。一次試験で学んだ内容とインテリアの専門知識を含めて回答しますが、難しい文章をつくる必要はありません。簡潔にわかりやすく書きましょう。最近は環境問題や高齢化対策など、現代らしい課題に関連した出題もあります。
二次試験の持ち時間は、プレゼンテーションと論文を合わせて180分。時間配分を考えながらの回答が必要です。家具のサイズや通路幅など、インテリア計画に必要な情報はあらかじめ覚えて試験に臨むといいでしょう。
資格取得のメリット
- 就職・転職の有利性
インテリアコーディネーター資格を持つことは、就職や転職において確実に有利になります。住宅業界やハウスメーカー、リフォーム関連の企業がメインの就職先になりますが、他の業界からのオファーも増加しており、幅広い分野での活躍が期待されます。
求人情報においては、資格保有者への優遇措置が示されることもあり、採用選考の有利なポイントになります。 - 需要の増加に対応
近年、個々の住空間に対するこだわりが増加しており、そのためインテリアコーディネーターの需要も高まっています。資格を取得することで信頼性が高まり、クライアントからの選択肢として優先される可能性があります。
収入について
20〜30代給料の一例(調査による目安)
・月給25〜35万円
・年収350〜450万円
※勤務形態やスキル次第でこれを上回ります
インテリアコーディネーターの将来性
インテリアコーディネーターは、将来性が高いとされる分野のひとつです。
近年は多くの人が住空間における快適さや美しさを重要視する傾向があり、インテリアデザインやコーディネーションを通じて、個々のライフスタイルに合った空間を創造するニーズが高まっています。
また住宅だけでなく、商業施設やオフィス、レストランなどもインテリアコーディネーターのサービスを必要とする場面があります。店舗やビジネス環境の魅力的なデザインは、顧客を引き寄せるために無視できない要素です。
ただ競争も激化しており、評価・信頼を得るためにはクリエイティブなスキル、マーケティング能力、コミュニケーションスキルが大切です。将来性がある分野ですが、常に最新の専門知識やスキルを磨くことが不可欠です。
最新の試験情報は
公益社団法人 インテリア産業協会
合格体験談
実家が雑貨店をやっているので、小さい頃から 商品の飾りつけなどが好きで手伝っていました。そんなこともあって大学生になって少し時間に余裕が出来たのでインテリアコーディネーター の資格に興味を持ちはじめました。でも、実際にどうやって勉強していいかわからず、 雑誌などで紹介されていた学校に通うことにしました。
恥ずかしい話ですが、学校に通ってはじめてこの 資格の難しさ・奥深さを知りました。
想像もしていなかった製図や細やかな知識をはじ め、二次試験まであることさえ知りませんでした。でも興味があってはじめたことなので合格するまで頑張ろうと思いました。
はじめは本当にたくさんのことを覚えなくてはならず、何度も挫折しそうになりましたが、学校で同じ目標を持った友達ができたので、お互いに励ましあいながら勉強が続けられました。たぶん一人ぽっちだったら途中で投げ出していたかもしれません。
一次試験用の参考書や問題集は買いませんでした。学校のオリジ ナルテキストを中心に読み込んで、過去問をやりま した。それで知識は十分身につきました。
学校の講義は教わるというよりも事前に予習をして、 正確に理解しているかどうか確認するという姿勢で のぞみました。このやりかたは効率的で手前味噌ですが良かったと思います。
模擬試験も何度か受けて、自分の理解度の目安にな りました。
二次試験対策ですが、製図はひたすら描くことだと思います。何枚も何枚も図面を描き重ねていくうちに次第にコツがつかめるようになってくるはずです。 不器用な僕でも最終的に短時間で描けるようになったので、練習すれば誰でも大丈夫でしょう。
困ったのは論文です。これはちょっと悩みました。
今から振り返ると綺麗な文章を書くことに気を使いすぎて中身がおろそかになっていたような気がします。合格した今だから言えることかもしれませんが、 綺麗な文章である必要はないと思います。要は書きたいことが相手に伝われば良いのではないでしょうか。
論文には必ずキーワードがあります。私はそれをはずさないことを念頭に文章を組み立てていきました。 極端に言えば、中身がしっかりしていれば文章はぶつ切りでもかまわない気がします。
僕の場合、勉強期間は1年ほどかかってしまいましたが、ラッキーなことに合格できました。まぐれかも・・・
でも、うれしかったです。勉強を続けて本当に良かったです。
今、ちょっと欲が出てきて、今度は二級建築士に挑戦してみようかな、とも思っています。
23歳男性(提携サイトより引用)