【重症化のリスクも】夜の熱中症

学び

夜の熱中症(夜間熱中症)は、夜間の高温多湿な環境で体温調節がうまくいかずに引き起こされる症状です。通常の熱中症と同様、体内に熱がこもってしまい、体温が異常に上昇することで健康に深刻な影響を与えることがあります。

どんな症状か

夜の熱中症では以下のような症状が現れます

  • 頭痛:体温が上がると血管が拡張し、頭痛を引き起こすことがあります。
  • めまい・ふらつき:体内の水分と塩分の不足により、めまいやふらつきが生じます。
  • 倦怠感や疲労感:夜間にうまく休めないことで疲れが蓄積し、朝起きた時に体が重く感じたり、だるさが残ることがあります。
  • 脱水症状(口の渇き、尿の減少):寝ている間に大量に汗をかくと、脱水状態に陥り、口の渇きや尿の量が減ることがあります。
  • 発汗異常:体が異常に熱を持っている場合、逆に発汗が止まってしまうことがあります。
  • 眠りが浅くなる:体温が下がらず寝苦しいため、深い眠りが得られず、睡眠不足や疲労の蓄積につながります。

発症しやすい環境

夜間熱中症は、特に次のような環境で発症しやすくなります:

  • 高温多湿な夜:気温が25℃以上、湿度が70%以上あると、熱がこもりやすくなり、体温が上がりやすくなります。
  • 換気が悪い部屋:空気の流れが悪い場所では、体からの熱がうまく逃げないため、体温が下がりにくくなります。
  • エアコンがないまたは使わない:エアコンを使わないと部屋の温度が下がらず、室内で熱中症が起きるリスクが高まります。
  • 風通しの悪い寝具:通気性の低い布団やマットレスも、体温がこもりやすくなる原因になります。

命に関わることも

夜の熱中症は、昼間に比べて気づきにくく、症状が進行しやすい点が危険です。特に高齢者や子供、基礎疾患のある方は体温調節が苦手なため、重症化するリスクが高いです。熱中症が進行すると、意識障害や臓器不全を引き起こし、命に関わることもあります。

発症した時の対応策

冷却
まず、体を冷やすことが重要です。冷えたタオルや氷枕を首や脇の下、足の付け根に当てて、血液を冷やし、体温を下げるようにします。

水分と塩分の補給
冷たい水やスポーツドリンクなどで、少しずつ水分と塩分を補給しましょう。特に汗を多くかいている場合は、塩分を含む飲料が効果的です。

エアコンや扇風機を使用
室温を下げるためにエアコンや扇風機を活用し、空気の循環を良くします。換気も行うことで室温を下げやすくなります。

医療機関の受診
頭痛や吐き気が強い場合、または意識がもうろうとする場合は、早急に医療機関を受診してください。