【紅麹の起源を探る】 体への作用

学び

紅麹原料入りのサプリメントが健康被害(腎臓疾患)を引き起こしたという衝撃的なニュースが波紋を広げています。根本原因はまだ調査中ですが、サプリメントの原料から青カビ由来のプベルル酸が検出され、同時に通常入っているはずのない物質も検出されたとして、厚生労働省は物質の特定と原因の解明を急いで行なっている状況です。

紅麹とは何か

現時点では原料を作る前の紅麹菌を培養する段階で青カビが混入した疑いがあり、紅麹そのものが直接の原因とは考えられていないようです。

天然の着色料や健康食品として伝統的に多くの料理や製品に取り入れられている紅麹とは、そもそもどういうものなのでしょうか?

紅麹は、アカビタカビ(Monascus purpureus)という紅色のカビ菌を米や麦などの穀物に繁殖させて作る発酵食品の一種で、特に中国や日本などアジアの食文化において重要な役割を果たしています。

色と風味
紅麹は鮮やかな赤色が特徴で、料理に独特の色合いを与えます。風味は比較的穏やかで、様々な料理に使用しやすい特徴があります。

成 分
紅麹には、モナコリンK(ロバスタチン)という成分が含まれており、これがコレステロール低下作用があるとされています。他にも、色素成分としてアントシアニンが含まれており、これは抗酸化作用があるようです。

用途と歴史

食品の色付け
紅麹は昔から食品の天然着色料として使用されています。中華料理では、チャーシューや紅焼肉(ホンシャオロウ)などの肉料理に使われます。日本ではかまぼこや沖縄の地酒(泡盛)の色付けなどに使われることがあります。

調味料や発酵食品
紅麹を使った調味料として、紅麹醤油や紅麹味噌があり、料理に独特の風味を加えます。台湾や中国では、紅麹酒(紅曲酒)として発酵させてアルコール飲料を作ることもあります。

 
紅麹の使用は古代中国までさかのぼります。漢方薬や食品の色付け、保存料として利用されてきました。その後、日本に伝わり、特に沖縄や九州地方で伝統的に使われています。

    健康効果と注意点

    健康効果
    1)コレステロール低下
    紅麹に含まれるモナコリンKは、コレステロール値の低下に寄与するとされています。これが紅麹が健康食品として注目される理由の一つです。

    2)抗酸化作用
    アントシアニンなどの抗酸化物質が含まれており、体内の酸化ストレスを軽減する効果が期待されます。

    3)消化促進
    紅麹は消化を助ける酵素を含み、胃腸の働きをサポートするとされています。

    注意点
    紅麹製品を摂取する際には、過剰摂取に気をつけなければなりません。特にモナコリンKは医薬品と同様の作用を持つため、他の薬と併用する場合は注意が必要です。

    健康食品について知識を増やす

    健康食品に含まれる成分の機能や活用方法について正しい情報を提供するアドバイザリースタッフをご存知でしょうか。
    健康食品の摂取を検討している人や既に摂取している人に対して、食生活の状況、健康状態に応じて安全かつ適切に食品を選択することができるよう助言するスタッフのことです。

    アドバイザリースタッフについては様々な民間団体と組織が養成と資格認定を行っていて、厚生労働省は以下の団体を紹介しています。

    ・公益財団法人日本健康・栄養食品協会 
     食品保健指導士
    ・一般社団法人日本食品安全協会
     健康食品管理士/食の安全管理士
    ・一般社団法人日本臨床栄養協会
     NR・サプリメントアドバイザー   

    アドバイザリースタッフは企業、医療機関、薬局などでも活躍しているようです。健康食品の安全性への関心が高まっている今、これをきっかけに資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。