FIRE（ファイヤー）とは、「Financial Independence, Retire Early」の略で、日本語では「経済的自立と早期リタイア」を意味します。FIREは、早期に経済的自立を達成し、通常のリタイア年齢（60～65歳）よりも早く仕事を辞め、自由な生活を送ることを目指すライフスタイルや運動です。
FIREを達成するために必要な金額は、個人の生活費やライフスタイルに大きく左右されます。仕事の量を適度に減らしアルバイト程度の収入があるなら、３０００〜５０００万円程度あれば可能な範囲といえます。一方で完全に仕事をリタイアして自由な時間を過ごしたいのであれば、年間生活費を４００万円とした場合、１億円程度は必要になってきます。
普通のサラリーマンが１億円を貯めるのはかなりハードルが高いでしょう。それでも実現している人は実際にいて、そうした人達は長期的な計画と慎重な資産運用で夢を叶えています。今回は、いくつかの一般的な方法と、それぞれの実現可能性について説明していきます。
1. 積立投資
- 方法：毎月一定額を投資信託や株式に積み立てて運用する方法です。複利効果で資産を増やすことができ、長期投資が基本です。
- シミュレーション：月に5万円を年利5%で30年間積立すると約1億円に到達します。
- 実現可能性：中程度。年利5%程度の利回りはリスクを抑えた投資で達成可能とされますが、元本割れのリスクはゼロではありません。金融市場の知識と長期の忍耐が必要です。
2. 株式・ETF投資
- 方法：高い成長が見込まれる企業の株やETF（上場投資信託）に投資して利益を狙う方法です。大きなリターンを期待できますが、リスクも高くなります。
- シミュレーション：年利10%で運用し、元本100万円から複利で20年間投資すると約1億円に達する可能性があります。
- 実現可能性：やや低め。株式投資で年利10%を長期間達成するのは難しく、景気変動により大きく損失を出すリスクもあります。専門知識とマーケットへの理解が必須です。
3. 不動産投資
- 方法：アパートやマンションの一室を購入し、家賃収入を得る方法です。安定的な収入が見込める一方で、物件の維持管理費や空室リスクもあります。
- シミュレーション：1,000万円の物件を購入し、家賃収入で毎年利回り5%を得ると、20年で1億円に近づきます。
- 実現可能性：中程度。安定した賃貸収入を得るには立地や物件選びが重要です。さらに初期資金とローンを組む場合のリスク管理も考慮が必要です。
4. 副業や事業
- 方法：本業に加えて副業や起業で収入を増やす方法です。ウェブデザイン、プログラミング、ライティングなど、需要が高いスキルを活かせば収入増加が期待できます。
- シミュレーション：月に10万円を副業で稼ぎ、全額を年利5%で運用すると約25年で1億円を達成可能です。
- 実現可能性：中程度から高め。スキルや時間の投入が必要ですが、将来の収入アップが見込めるため、他の方法と組み合わせると効果的です。
5. 節約と計画的な貯金
- 方法：日々の支出を見直し、無駄な支出を減らして貯蓄額を増やす方法です。大きな収入増加は見込めませんが、リスクが低く確実に資産を増やせます。
- シミュレーション：年間100万円を30年間貯蓄すると3,000万円になりますが、年利5%の利息がつく場合、最終的に1億円に到達する可能性があります。
- 実現可能性：高め。収入に見合った節約は比較的簡単ですが、資産形成には時間がかかるため、他の投資手法と組み合わせるのが効果的です。
１億円を貯めるには、長期的な積立投資や副業など複数の手段を組み合わせるのが現実的です。リスク分散を図りつつ、収入増加と計画的な資産形成を心掛けることで目標達成の可能性が高まります。
もちろん、普段から生活費を最小限に抑える努力も必要です。無駄な出費を極力減らして余剰資金を増やすことで、早く経済的な自立を達成しやすくします。総じてFIRE志向の人々は、生活水準をシンプルに保ち、不必要な支出を減らす傾向があるといわれています。
