半年以内で取れる資格は、仕事をかかえながらの勉強でもそれ程ストレスはかかりません。軽い気持ちでチャレンジできるのが魅力です。職種によっては資格手当も期待できるので、ステップアップの武器にもなります。もちろん取得した資格を利用して転職への道を開くことも可能です。
資格は必ずしも難関なものである必要はありません。自分の社会生活の可能性を広げるきっかけとして、取得しやすそうなものから取り組んでみるのがいいでしょう。
秘書検定 実生活でも役立つ
資格取得にかかる期間(目安)
3級は1カ月程度
2級は1〜2カ月
準1級、1級は2〜6カ月
この資格について
秘書というと、役員のスケジュール管理や身の周りの世話係というイメージですが、 この資格は、女子一般事務職の職務スキルをはかるものです。一般事務職志望の女子なら誰でも備えておくべき基本的な 実務知識を内容としています。実生活でも一般常識として役立つ、応用可能な資格です。
例えば、1級の実技(マナー・接遇)では、
・慶事・弔辞の次第とそれに伴う庶務を心得ている
・贈答のマナーを専門的に知っている
・高度な敬語を活用できる
・複雑な苦情処理や説得ができる
などが審査されます。
取得するメリット
秘書検定の資格取得は、秘書業務だけでなくビジネス全般においてスキルアップと成長を促します。
少し話がずれますが、筆者の知り合いによると、秘書検定資格を持っていると男性から好意的に受け取られる傾向があるようです。しっかりした女性のイメージがあるからでしょうか。
専門的なスキルと知識の獲得
秘書検定の試験は、秘書業務に必要な基本的なスキルや知識を評価します。ビジネス文書の作成方法、スケジュール管理、コミュニケーションスキルなど、秘書としての専門的な能力を習得する機会となります。
ビジネスにおける多様な役割への対応能力
秘書は、会議の準備やスケジュール管理、コミュニケーションの調整など、幅広い業務を担当します。秘書検定を取得することで、これらの多様な業務に対応するスキルを磨くことができます。
キャリアの展望向上
秘書検定の資格は、秘書職だけでなく、一般的な事務職やアシスタント職など、ビジネス関連の多くの職種で役立ちます。資格を取得することで、キャリアの幅を広げることができます。
就職・転職活動の強み
秘書検定の資格は、履歴書や職務経歴書に記載することで、就職や転職活動においてアピールポイントとなります。特に秘書業務を希望する場合、資格取得者は選考の際に優遇されることがあります。
試験内容
1級、準1級、2級、3級の4ランクに分かれています。
試験方法は、
筆記:必要とされる資質、職務知識、一般知識
実技:マナー・接遇、技能
があり、それぞれ60%以上正解が合格の目安です。
合格率
【1級】約30%
【準1級】約30%
【2級】約60%
【3級】約70%
最新の試験情報は
公益財団法人 実務技能検定協会
ITパスポート 合格率が高い国家資格
資格取得にかかる期間(目安)
3〜6カ月
この資格について
ITパスポートは、IT関連の仕事にかかわる人は取っておきたい資格です。新しい技術や手法に関する知識、経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識、IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識など、幅広い分野での知識が問われます。
ITを活用するすべての社会人、またはこれから社会人となる学生が備えておくべきITの基礎的な知識を証明する国家試験で、合格率は平均して50%前後。2人に1人は合格しています。国家試験の中では合格率が高く、IT系国家試験の入門レベルといえます。持っていて損はないでしょう。
資格の活用
・企業によっては資格手当てが支給されます
・履歴書に書ける資格です
・この資格を基礎にさらに上級の情報処理技術者試験にチャレンジできます
試験はパソコンを使用
CBT(Computer Based Testing)方式による試験になります。CBT方式とはコンピュータを利用して実施する試験のことで、受験者は試験会場に行き、コンピュータに表示された試験問題にマウスやキーボードを用いて解答します。
・試験はすべての都道府県で毎月実施しているので、受験者の都合に合わせて試験日時や会場を選択できます
・試験の申込み、成績の確認が、Webサイトにログインすることによって、いつでもできます
・試験前日の正午まで受験申込みができます(クレジットカードなどの場合)
・試験の成績は、試験当日中にWebサイトから確認できます。受験後1年間は試験結果レポートのダウンロードができます
受験するには
ITパスポート試験の専用サイトにアクセスして、まずは利用者IDを登録します。続いて利用者IDと設定したパスワードを使って利用者メニューにログイン。試験会場と試験日および支払方法を選択します。
最新の試験情報は
ITパスポート試験ウェブサイト
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) 世界中どこでも通用
資格取得にかかる期間(目安)
1〜2カ月
この資格について
マイクロオフィススペシャリスト(MOS)は、ワードやエクセルなどマイクロソフトのオフィス製品を活用する知識を証明する資格です。マイクロソフト社が、国内外問わず世界中で試験を実施しています。コロナをきっかけにリモートワークが一般的になった今、パソコンやオフィスワークのスキルアップの手段として人気が上昇している資格です。
資格のメリット
・パソコンスキルの証明になる
・作業効率の向上
・就職や転職のアピールになる
・世界的に実施されている資格
・受験者数は推計490万人の人気資格
試験は「一般」と「上級」の2種類
パワーポイントとアウトルックは一般レベルのみ。ワード、エクセル、アクセスは、一般レベルと上級レベル(エキスパート)があります。試験方法は全て、コンピュータを使った実技試験です。
試験科目 | 一般レベル | 上級レベル(エキスパート) |
Word(ワード) | ● | ● |
Excel(エクセル) | ● | ● |
Powerpoint(パワポ) | ● | |
Access(アクセス) | ● | ● |
Outlook (アウトルック) | ● |
一般レベルの試験では、基本的な知識と技能が出題され初心者向けで、比較的簡単に合格できるようです。上級レベルはそれよりも高度な知識とスキルが問われます。
受験について
「全国一斉試験」と「随時試験」の2つの受験方法があります。申込方法が異なるだけで、受験料、試験内容、合格認定証はすべて同じです。学生証などの提示で学割制度の利用ができます。
最新の試験情報は
オデッセイコミュニケーションズ
基本情報技術者 ITを活用するなら取っておきたい
資格取得にかかる期間(目安)
2〜3カ月
この資格について
IT関連の企業に在籍している人はもちろんのこと、これからITを活用している企業に転職・就職を希望している人は取っておきたい資格のひとつです。ITを活用したサービス、システム、ソフトウェアを作るのに必要な基本的知識・技能を証明する資格で、実践的な活用能力が問われます。合格率は比較的高めなので、気軽にチャレンジできる点も魅力です。
資格の活用
・IT関連企業、ソフトウェア開発企業への就職・転職
・SE、プログラマー など
2つの試験がある
基礎的な知識を問う科目Aと、応用的な知識を問う科目Bの2つの試験があります。
科目Aの問題は4つの選択肢からひとつを選ぶ形式で出題され、主にITに関する基礎知識について問われます。試験時間は90分で問題は60問。要領よく回答していく必要がありますが、過去問からよく出題されます。1000点満点中、合格は600点です。
応用的な知識が問われる科目Bの試験時間は100分。問題は20問ありますが、そのうちアルゴリズムに関する問題が16問あり、出題の多くを占めています。得点に大きく影響するポイントであることを理解しておきましょう。
試験方法など
ITパスポートと同じく、CBT(Computer Based Testing)方式による試験です。CBT方式はコンピュータを利用して実施する試験のことで、受験者は試験会場に行き、コンピュータに表示された試験問題にマウスやキーボードを用いて解答します。問題用紙に書き込みができない不便さはありますが、会場ではメモ用紙が配られます。
最新の試験概要は
独立行政法人「情報処理推進機構」
簿記検定2級 転職・就職に有利
資格取得にかかる期間(目安)
3〜5カ月
この資格について
転職や就職に有利とされる資格で必ず上がるのが簿記2級です。資格があれば会計事務所だけでなく一般企業の経理部などで即戦力として活躍できるため、求人の応募条件としてもよく目にします。また自分の会社のみならず、取引先の決算も読めるため、営業職にも活用可能です。「使える資格」ですから受験者は多く、年間で約10万人。合格率はだいたい5人に1人です。
資格の活用
・実務経験がなくても即戦力になる
・企業の経営状況を簡単に把握できる
・多くの企業に求められる資格なので、転職や就職に有利
・会計の管理などで日常生活にも役立つ
試験について
受験資格は特にありません。試験(ペーパー試験)は年に3回行われますが、2020年にネット試験が導入され、こちらは休止期間以外ほぼ毎日受験が可能です。
ネット試験の試験時間や出題範囲は、ペーパー試験と変わりません。回答の方法はパソコンを使い、入力やプルダウンで答えを選びます。問題用紙への書き込みはできませんが計算用紙は配られます。
独学は可能
合格率が約5人に1人という決して簡単とはいえない資格ですが、高すぎるハードルでもありません。コツコツ学習を続けていれば必ず合格できる資格です。スクールに通うのが最も効果的ですが、過去問などを解きながら独学でも合格は可能です。
合格基準は100点中70点以上。商業簿記60点、工業簿記40点のうち、トータルで70点以上取れれば合格できます。
簿記3級との違い
簿記3級は経理業務の基礎的な知識に関する資格です。試験は「商業簿記」のみですが、2級からは、製造業での原価管理などに必要な「工業簿記」が加わります。学習範囲が増える分、2級は3級よりも難易度が上がります。また2級の試験は3級の知識があることを前提に出題されるので、簿記の学習をゼロからスタートする人は、3級から学習を始めてみるのもいいかもしれません。
最新の試験情報は
日本商工会議所
ファイナンシャルプランナー2級 高齢化社会で関心高まる
資格取得にかかる期間(目安)
3〜6カ月
この資格について
ファイナンシャルプランナーは、住宅や子どもの教育の資金、貯蓄、保険などの総合的な資産の相談を受けて、要望に沿ったマネープランを提案する仕事です。相談者のライフスタイルを考慮しつつ、家族構成や収入・支出、資産、負債、保険などの基礎データを集めてプランを練ります。
ファイナンシャルプランナーの多くは銀行や生命保険会社などの金融機関に所属し、顧客の相談に応じる業務にあたっています。個人で独立開業しているパターンは少ないものの、高齢化社会で老後の資産運用への関心が高まる中、資格を取得する人は増えています。
2級は、初心者から始める人やファイナンシャルプランニングの基礎知識を身につけたい人に適しています。試験の難易度や合格条件などを考慮して、自身のスケジュールに合わせた勉強計画を立てるといいでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)2級の受験資格
ファイナンシャルプランナーは1級から3級までの3種類があります。3級を受験するのに実務経験や特別な資格の有無は問われませんが、2級は次の条件のうちひとつを満たす必要があります。
・AFP認定研修の受講修了者
・3級FP技能検定合格者
・FP実務経験2年以上
ですので2級からチャレンジするには、日本FP協会が実施するAFP認定研修を受講するか、2年以上の実務経験が必要です。
勉強方法
スクールに通ったり、公式のテキストや参考書、通信講座を使用して学習することが一般的です。模擬試験を受験することで試験形式に慣れることも重要です。
資格取得のメリット
ファイナンシャルプランナー2級の資格があると、個人や家庭の基本的な財務プランニングや保険、投資、税金などの知識が身につきます。
取得した知識を活用することで、家族や友人、身近な人々に対して基本的なファイナンシャルプランニングのアドバイスを提供できるようになります。保険選びや節税の基本、投資の考え方など、身の回りの人々に役立つ情報を共有することが可能です。
また、金融業界や保険業界、銀行などでの就職やキャリアアップの際にプラスとなることがあります。基本的なファイナンシャルプランニング知識を持っていることは、クライアント対応などでアドバンテージになります。
1級、2級、3級の違い
1級は高度な専門性を求める資格であり、2級と3級は初心者や基本的な知識を身につけたい人に適したレベルです。各レベルは自身の興味や目標に合わせて選ぶことが大切です。
内容の専門性と深さ
1級:高度な専門知識と実務経験を必要とし、高度な財務プランニング、税務、投資、年金、不動産などの分野にわたる知識が求められます。
2級:基本的なファイナンシャルプランニングの知識が求められますが、1級ほど深い専門性は求められません。保険や節税、投資の基本などがカバーされます。
3級:1級や2級に比べて基本的な知識を対象とし、保険や投資、税金、資産管理などの基本的な内容にフォーカスします。
実務経験の要否
1級:1級取得には、一定年数のファイナンシャルプランニング実務経験が必要です
2級:必ずしも必要ありませんが、2年以上の実務経験は受験資格のひとつになります
3級:必要ありません
試験の難易度
1級:最も難易度が高く、高度な専門知識と実務経験が求められるため、合格率は比較的低い傾向があり約10%です
2級:基本的な知識が対象であり、1級に比べて合格率は高めです。50〜60%
3級:比較的基本的な内容のため、2級に比べて合格率は高めです。80〜90%
キャリアについて
1級:高度な専門知識と実務経験を持つファイナンシャルプランナーとしてキャリアを積んでいくことができます
2級と3級:基本的な知識を身につけることで、ファイナンシャルプランニングの初歩的なアドバイスを行う際に役立ちます
最新の試験情報は
日本FP教会
インテリアコーディネーター 快適な住まいを提案する専門家
資格取得にかかる期間(目安)
3カ月〜6カ月
この資格について
インテリアコーディネーターは、クライアントのライフスタイルを理解し、要望に合った住空間をデザインする仕事です。幅広い知識や専門的な技術をいかして、家具やカーテン、照明などのトータルプロデュースを行います。顧客とのコミュニケーションを通じて、どのような部屋を望んでいるかを上手に聞き出し、それを具現化します。内装の建材や照明器具、家具などに関する広範な知識をもとに、アイデアとセンスをいかした住まいの提案につなげます。
活躍の場は、個人住宅だけでなく、店舗やオフィス、公共施設など、さまざまです。顧客の予算や希望を考慮しながら、最新のトレンドや機能性だけでなく、顧客が真に望む空間を創り出す、やりがいがある仕事です。
インテリアコーディネーターになるには
インテリアコーディネーターとして働くには、一般的に大学や専門学校をした後、住宅や家具メーカー、インテリアショップ、設計事務所などに就職します。必ずしも資格は必要ありませんが、クライアントの信頼を得るためにはインテリアコーディネーターの資格はあったほうが有利です。経験と能力次第で、複数の建築会社と専属契約を結んで、フリーで活躍することも可能です。
資格を取得する方法は、専門学校やスクールなどがありますが、最近では通信講座で独学で勉強し、資格を取得する人も多いようです。
資格取得のメリット
就職・転職の有利性
インテリアコーディネーター資格を持つことは、就職や転職において確実に有利になります。住宅業界やハウスメーカー、リフォーム関連の企業がメインの就職先になりますが、他の業界からのオファーも増加しており、幅広い分野での活躍が期待されます。
求人情報においては、資格保有者への優遇措置が示されることもあり、採用選考の有利なポイントになります。
需要の増加に対応
近年、個々の住空間に対するこだわりが増加しており、そのためインテリアコーディネーターの需要も高まっています。資格を取得することで信頼性が高まり、クライアントからの選択肢として優先される可能性があります。
収入について
20〜30代給料の一例(調査による目安)
・月給25〜35万円
・年収350〜450万円
※勤務形態やスキル次第でこれを上回ります
最新の試験情報は
公益社団法人 インテリア産業協会