【職場のフキハラに困惑】顕在化は止められない?

学び

先日、知り合いからこんな話を聞きました。

「人事異動で隣の部署に異動になった部下(女性)が急に挨拶をしなくなり、自分を無視するようになった。彼女にとって不本意の異動だったようだ。自分は人事には関係しておらず、その部下を高く評価していたが、あたかも今回の異動が自分の意向によるものと誤解しているようだ。
気にしないようにしているが、職場ですれ違うたびに無視され、次第にストレスを感じるようになった。これは、部下から元上司に対するフキハラ(不機嫌ハラスメント)なのではないか」

という話でした。

ため息、無反応など不愉快な態度

こうした一方的に示される不愉快な態度は職場ではよくあることかもしれません。本音で話し合ったのに深いしこりが残った。ある日突然、同僚の態度が冷たくなった。上司のわざとらしいため息がいやだ。などなど。
ネガティブな態度をあからさまに示されて困惑した経験がある人は多いと思います。職場の悩みの7割が人間関係といわれますが、それも納得です。

この話をしてくれた知り合いは、今でも笑顔で元部下に挨拶と声がけを続けていますが、相変わらず無視されているようです。

増えているフキハラ(不機嫌ハラスメント)

近年、フキハラが日本社会で顕在化してきているといわれます。フキハラという言葉自体初めて聞く人もいるかと思いますが、顕在化の背景には、パワハラ防止の厳格化があるようです。職場で相手に言いたいことがあるけど我慢しなければならなかったり、言葉遣いに必要以上の注意を払わなければならなくなったりして、その反動として、ネガティブな態度や表情が表に出てしまうというものです。

フキハラ(不機嫌ハラスメント)の一般的な定義は、主に職場や社会において、「相手が不機嫌や不快な気持ちになるような振る舞い・言動をすること」です。
これには相手に対して無理やりなコミュニケーションを求めたり、意図的に精神的な負荷をかけたりする行為を含みます。

フキハラになる態度

具体的な行動としては、以下のようなものが挙げられます。

1)無理な接触やコミュニケーションの強要
相手が不快に感じるようなしつこい言動や接触を繰り返すこと

2)侮辱や嫌がらせの言動
相手を直接的または間接的に侮辱し、不快感を与えるような言葉や行動を取ること

3)パワーハラスメント
地位や権力を背景に、相手を意図的に不快にさせたり、職場での居心地を悪くさせたりするような振る舞いをすること

4)仕事の妨害や扱いの不公平
意図的に相手の仕事の進行を妨げたり、不公平な扱いをすることによって、相手を不快にさせるような行為

本音がわかりにくい社会に

「メラビアンの法則」というのがあります。 他人とコミュニケーションを取る際、言葉による情報が7%、聴覚による情報が38%、視覚による情報が55%の割合で相手に伝わる、という心理学上の法則です。数字をとって「7ー38ー55のルール」とも言われます。人と人との情報共有では視覚と聴覚の占める割合が圧倒的に多い、ということです。

ため息や視線、表情なども、本人はそのような意図でなくても、相手にネガティブに受け取られてしまったら、それだけで十分ハラスメントになりえます。生産性向上のために密なコミニュケーションの必要性が迫られる一方で、こうした地雷があちこちに潜んでいるとなると、結果的にストレス過多になり作業効率が悪化する可能性があります。

またフキハラがこの先さらに社会問題化すれば、当たり障りのない人間関係が主流になり、人の本音がわかりずらい社会になっていくような気がします。

今は法的にも多くの国や地域でハラスメント行為は禁止されていて、職場での健康的な労働環境を保つための法的措置が整備されています。フキハラに関しても今後、国によって法的に明確に定義されていくのかもしれません。

コミニュケーション能力をアップさせる

フキハラ対策として、会社や家庭、学校などで良好な人間関係を築くためのコミニュケーション能力をアップさせる勉強をしてみてはいかがでしょうか。認定や資格などを取れば自信にもつながるはずです。

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