【医療】すい臓がんについて

学び

前回のブログにも書いた通り僕は同級生の友人をすい臓がんで失くしています。有名人ではiPhoneで知られるアップル創設者のスティーブ・ジョブス、また最近は日本人映画プロデューサーもすい臓がんで亡くなりメディアで大きく取り上げられていました。発見された時には手遅れ感のあるすい臓がんはどんな病気なのでしょうか。

すい臓がんの仕組み

すい臓がんは、すい臓の組織内で発生するがんで、通常は症状が現れるときには既に進行が進んでいることが多いため、非常に厄介ながんといわれています。

すい臓がんは通常、すい臓の細胞で異常な増殖が起こり、悪性腫瘍が形成されます。主なリスク要因には、喫煙、肥満、高脂血症、遺伝的要因、慢性膵炎などがあります。すい臓がんの多くは、すい臓の外分泌機能を担う細胞から発生しますが、内分泌機能を担う細胞から発生する膵島細胞(ランゲルハンス島)腫もあります。

すい臓がんの見つけ方

すい臓がんは初期段階では症状がほとんど現れないことが多いため、一般的には進行した段階で診断されます。診断には、画像診断(CT、MRI、超音波)、血液検査(腫瘍マーカーの測定)、またはすい臓生検などが行われます。

すい臓がんの治療法

治療法は、すい臓がんの段階、患者の状態、および他の要因に応じて決定されます。一般的な治療法には、手術、化学療法、放射線療法、ターゲット治療、免疫療法などがあります。すい臓がんは一般的に手術によって除去されることが最も効果的ですが、手術が不可能な場合や進行が進んでいる場合は、化学療法や放射線療法などが用いられます。

発症率(年間新規発症数)

すい臓がんの発症率は地域や人種によって異なりますが、一般的には高齢者に多く見られます。世界的に見ると、欧米諸国では比較的高い発症率が報告されています。

【日本】約10万人あたり7〜9人(日本がん登録センターによる推定)
【アメリカ】約10万人あたり12〜15人(アメリカがん協会による推定)
【イギリス】約10万人あたり9人(イギリスがん研究所による推定)
【ドイツ】約10万人あたり10人(ドイツがん登録センターによる推定)

生存率(5年生存率)

以下の数字はあくまで推定値であり、地域や年代によって変動する可能性があります。

【日本】約5%〜8%(日本がん協会による推定)
【アメリカ】約8%〜10%(米国がん統計センターによる推定)
【イギリス】約6%〜9%(イギリスがん研究所による推定)
【ドイツ】約5%〜7%(ドイツがん登録センターによる推定)

すい臓がんは一般に早期に症状が現れず、進行してからの診断が一般的であり、そのため治療が難しいとされています。このような状況から、早期発見や治療法の開発が喫緊の課題です。欧米諸国においても、すい臓がんの治療は重要かつチャレンジングな分野であり、新しい治療法や診断方法の開発が精力的に進められています。

すい臓がん治療の将来の見通し

すい臓がん治療技術の将来の見通しは、いくつかの方向性に向かって進んでいます。以下に、将来の可能性として考えられている技術とアプローチ方法を挙げてみます。

(1)早期検出技術の改善
すい臓がんは一般的に進行が遅く、初期段階では症状がほとんど現れません。しかし、早期に発見されると治療の成功率が大幅に向上します。そのため、血液検査やイメージング技術などの早期検出技術の改善が進められています。例えば、従来のマーカーに加えて、新しい生物学的マーカーや画像診断技術の開発が行われています。

(2)精密医療への移行
パーソナライズド医療の概念が進み、患者の遺伝子や腫瘍の特性に基づいて治療法をカスタマイズすることが重要視されています。すい臓がん治療においても、患者の遺伝子解析や腫瘍の分子プロファイルに基づいた治療法の開発が進むことが期待されます。

(3)免疫療法の進展
免疫療法は、すい臓がんの治療においても有望なアプローチとされています。免疫チェックポイント阻害剤やCAR-T細胞療法などの新たな免疫療法の開発や改良が行われ、すい臓がんに対する効果的な免疫応答の誘導が目指されています。

(4)画像誘導療法の改善
すい臓がんの手術や放射線治療などの画像誘導療法の技術も進化しています。これにより、より精密な手術や照射が可能になり、正常組織の保護と腫瘍の除去率の向上が期待されます。

こうした技術の進歩により、将来的にはすい臓がんの早期発見と効果的な治療が実現されると考えれらています。ただし、これらの技術が実用化されるには、さらなる研究と臨床試験が必要です。

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