企業に勤めていると、いろんなしがらみで思うように仕事ができないことが多々あります。好意的に協力してくれる人もいれば、少し意地悪な人、距離感が微妙で一緒にいるだけで疲れてしまうような人。どこの企業でも多かれ少なかれ人にまつわる問題を抱えています。そんな中、高度なスキルを身につけて会社を飛び出し、「自分の思うように自由に仕事をしてみたい」と、考えたことがある人も多いのではないでしょうか。不安もあるけれど独立して自分のために働くのも面白そうー。そんな前向きな考えを持てる人にとって、資格は大きな武器になります。
フラワーデザイナー 実用性がある花の資格
資格取得にかかる期間(目安)
3級は半年〜1年程度
2級は1年程度
1級は1〜2年程度
※スクールに通う頻度によって変わってきます
この資格について
フラワーデザイナー資格検定試験は、公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)が主催する花に関する認定制度です。NFDは1967年(昭和42年)に活動がスタート。50年以上の歴史があり、フラワーデザイナーに関する組織として唯一、公益社団法人として認定されています。フワラーデザイン業界では最も知られた、信頼できる団体です。
「花に親しみ、花を愛する人々にフラワーデザインを普及し、技術や知識の向上を目指す」理念のもと、花の好きな人であれば、いつでも誰でも資格に挑戦することができます。レベルは1級から3級まで。基礎から応用できる技術の習得、最終的には自分で花の魅力を最大限に引き出せる力をつけていきます。
- 3級フラワーデザイナーは、技術と知識の基礎を学びます。
- 2級フラワーデザイナーは、基礎の上に充分な技術と知識を身につけます。
- 1級フラワーデザイナーは、3級、2級で身につけた基礎から、自分で考え、創り出す力を養うレッスンを受け、受験にチャレンジします。
フラワーデザイナー資格検定試験は、花の植生、つまり身の回りにある自然の花にスポットを当てています。試験のテーマは、「身近な花をやさしく見つめ、テーブルの上で考える」です。
資格の取得まで
フラワーデザイナー資格は、3級→2級→1級と段階的に取得していきます。試験ではフラワーデザイン全般に関する学科試験と、実技試験があります。
受験資格として、NFD講師もしくはNFD公認校から受験日の2カ月前までに受験に必要な履修単位を認定してもらう必要があります。3級の受験は単位は必要ありませんが、試験に向けて十分なレッスンを受けてから受験することをおすすめします。
ステップ1 スクールに入学
ステップ2 受験に必要な知識と技術の習得
ステップ3 3級受験、合格
ステップ4 3級正会員入会
ステップ5 3級フラワーデザイナー登録
ステップ6 昇級のための知識と技術の習得
1級を取得した後は、さらにNFD講師、NFD本部講師、NFD名誉本部講師等のステップアップがあります。
資格取得のメリット
生花店への就職・経営、フリーのレッスンプロ、スクール講師など、花にまつわる職業で収入を得ることができます。また技術をいかして、友人や知り合いの結婚式のブーケ作りや式場飾りなども手伝ってあげると大変喜ばれます。
最新の試験情報は
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会
ネイリスト技能検定 指先の美しさを演出
資格取得にかかる期間(目安)
3級は3カ月程度
2級は半年程度
1級は1年程度
この資格について
ネイリストになるために必ずしも資格は必要ありませんが、技術の証明として、実質的に資格取得は必須と考えていいでしょう。ネイリストに関する資格は、JNECネイリスト技能検定試験、JNAジェルネイル技能検定試験、ネイルスペシャリスト技能検定試験、ネイルサロン衛生管理士など複数ありますが、この中で最もポピュラーなのは、JNECネイリスト技能検定です。検定を主催するJNEC(日本ネイリスト検定試験センター)は公益財団法人として認可を受けており、受験者は年間9万人以上。またネイルサロンでの就職や転職の多くは、このJNECネイリスト技能検定2級が採用基準になっています。
階級と試験
1級から3級までの3段階のレベルがあります。
・1級 トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識
・2級 サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術及び知識
・3級 ネイリストベーシックのマスター。ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識
試験は各級、筆記試験と実技試験があります。
試験で「筆記のみ合格」した方は、次回の試験で筆記試験は免除されます(同級の試験の場合に限ります)。
合格率は、3級は80%以上と高く、2級と1級は35〜40%と比較的ハードルが上がります。
勉強の方法
独学、通信学習、ネイルスクール通学、オンラインスクール、ネイルサロンに勤務など、いくつかの選択肢があります。
ただ「独学は避けた方がいい」という経験者からの声が多く聞かれます。実技を伴う試験ですから、しっかりとスクールの講師あるいはサロンの先輩に学ぶのがいいでしょう。すでにプロとして活躍しているネイリストもスクールに通って基礎を学び直すこともしばしばあるようです。
また複数の資格を持っているネイリストもいます。JNECネイリスト技能検定試験のほかに、JNAジェルネイル技能検定試験も人気があり、これらは試験内容が重なっている部分も多く、両方の資格を取得しやすい背景があります。
資格取得のメリット
・就職や転職できるネイルサロンの数が増える
・上級資格を持っている人は高い手当がもらえる
・独立して個人でサロンを開ける
ネイリストの仕事
ネイリストの仕事はネイルアートだけではありません。爪にまつわるスペシャリストとして期待されます。
カウンセリング
どんなネイルを希望するのか、どんな悩みがあるのかなどをヒアリングして、爪の硬軟などの特徴に合わせてデザインを決めていきます
オフ
専用の機材や薬剤などを使ってネイルアートを取り除く作業です。カウンセリングと並行して行う人が多いようです
ネイルケア
爪の手入れです。ブラシやニッパーなどを使って爪の形を整えたり甘皮の処理をします。自然で健康的な爪を作ることでネイルアートもしやすくなります
ネイルアート
ジェルやチップ、ストーンなどを使ってネイルを美しく仕上げていきます。作業中は相手を退屈させないのも仕事のひとつ。手元に集中しつつ雑談をしてリラックスした雰囲気を作ることも大切です
ハンドマッサージ
施術の後にハンドマッサージを行う場合があります。施術中はしばらく手を動かせないので腕や肩が凝ります。血流を良くするハンドマッサージはサービスの満足度を上げる大切な作業です
最新の試験情報は
JNECネイリスト技能検定試験 公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター
JNAジェルネイル技能検定試験 NPO法人日本ネイリスト協会
インテリアコーディネーター 住空間のデザイナー
資格取得にかかる期間(目安)
3カ月〜6カ月
この資格について
インテリアコーディネーターは、クライアントのライフスタイルを理解し、要望に合った住空間をデザインする仕事です。幅広い知識や専門的な技術をいかして、家具やカーテン、照明などのトータルプロデュースを行います。そのためには相手とのコミュニケーションがとても重要です。どのような部屋を望んでいるかを上手に聞き出し、それを具現化するプランを立てます。内装の建材や照明器具、家具などに関する広範な知識をもとに、アイデアとセンスをいかした住まいの提案につなげます。
活躍の場は、個人住宅だけでなく、店舗やオフィス、公共施設など、さまざまです。顧客の予算や希望を考慮しながら、最新のトレンドや機能性だけでなく、顧客が真に望む空間を創り出す、やりがいがある仕事です。
資格の取得まで
インテリアコーディネーター資格試験は、学科の一次試験とプレゼンテーションの二次試験からなります。
一次試験の範囲
・インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
・インテリアコーディネーターの仕事に関すること
・インテリアの歴史に関すること
・インテリアコーディネーションの計画に関すること
・インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
・インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
・環境と設備に関すること
・インテリアコーディネーションの表現に関すること
・インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
合格は7〜8割の正解が目安になります。
合格率は20〜25%。簡単な試験ではありません。
なお2023年から一次試験の方式がマークシートからCBT方式に変更になります。CBT方式とは受験から採点まで全てパソコン上で行われる方式です。近年は多くの資格試験で採用されている方式で、試験を実施する「インテリア産業協会」が指定した全国の試験会場でパソコンを使って受験します。
一次試験だけ合格した人は、次年度から3年間は一次試験が免除され、二次試験のみの受験が可能です。なお、3年間の免除期間が過ぎた場合は、振り出しに戻って再度一次試験からの受験が必要になります。
二次試験
二次試験では、インテリアの基礎知識をもとに、プレゼンテーションと論文が出題されます。実践的なインテリアの計画と提案をするスキルあるかどうかが問われます。一次試験の合格者のみが受験可能です。二次試験の合格率は55〜60%。一次試験に比べて、一見、簡単そうに思えますが、複数回チャレンジして合格した人を含む数字です。難しい試験と捉えておきましょう。
資格のメリット
インテリアコーディネーター資格を持つことは、就職や転職において確実に有利となるでしょう。住宅業界やハウスメーカー、リフォーム関連の企業がメインの就職先になりますが、他の業界からのオファーもあり、幅広い分野での活躍が期待されます。
経験と十分なスキルを積んでフリーランスになれば、住宅だけでなく、商業施設やオフィス、レストランなどを手がけるチャンスもあります。
最新の試験情報は
公益社団法人 インテリア産業協会
ウエディングプランナー 幸せと感動の演出家
ウエディングプランナーは、カップルの結婚式を計画し、調整し、実行する専門家です。ブライダルプランナー、ウエディングプロデューサー、ブライダルコーディネーターとも呼ばれ、依頼主のビジョンや希望に基づいて、スムーズかつ満足度の高い式の実現をサポートします。多くの人に幸せと感動の瞬間を与えるやりがいのある仕事です。
ウエディングプランナーとして働くのに資格は必要ありませんが、最近は挙式をしないカップルも増えており、業界全体としてこの仕事に就くには競争率が高くなっています。それゆえ、検定資格を持っていると優遇される可能性があります。
ウエディングプランナーになるには
大学や専門学校を卒業して、結婚式場やホテル、企画・プロデュース会社に就職するのが一般的です。ただ就職できたとしても希望通りの部署に配属されるかは分かりません。そのためにもアピールの材料として資格の取得は大切です。
資格を取るには
コースを設定している専門学校やスクール、通信講座があります。社会人になってから転職を考えて学び始める人もいます。資格は主催者別でいくつか種類があります。
(1)ブライダルプランナー検定(1級、2級)
国際的な大規模団体である全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)が認定する資格で、日本での受験者数は1年で1500人前後、合格率は1級、2級ともに80%を超え、比較的取得しやすい特徴があります。実務経験を積むとさらに上級資格にチャレンジできます。
・ブライダル検定の最新情報はこちら
(2)ブライダルコーディネート技能検定(国家資格)
公益社団法人日本ブライダル文化振興協会による資格検定で、こちらは国家資格です。1級から3級までの3段階があり、合格率は1級が20〜30%、2級が20〜40%、3級が70%前後。実技がある1級と2級の合格者は3人に1人程度と比較的狭き門になっています。
・ブライダルコーディネート技能検定の最新情報はこちら
(3)ウエディングプランナー検定
一般財団法人職業技能振興会と、一般社団法人IWPA国際ウエディングプランナー協会が共催している資格で、1級と2級があります。合格率は発表されていませんが、1級は難易度が高いと言われています。
・ウエディングプランナー検定の最新情報はこちら
試験内容について
いずれの検定も試験内容は似ており、一般的な婚礼業務、挙式形態、関連商品・サービス、接客応対スキル、衣裳店業務、ドレスの構造・素材からデザイン、小物コーディネート、スタイリング効果、メンズフォーマル、そして和装の各名称・文様、小物など幅広い知識が問われます。
資格取得のメリット
特別な瞬間に立ち会える
ウェディングプランナーの特権は、やはりカップルの大切な瞬間に立ち会えること。結婚式は人生の中での特別な出来事であり、その時間を共有させてもらうことで深い感動を得ることができます。また、カップルとゲストたちによる思い出作りをお手伝いすることで、大きな達成感と喜びを感じることができるでしょう。
創造的な仕事
依頼主のビジョンを実現するためにアイディアやデザインを提案する創造的な仕事といえます。毎回、異なるスタイルやテーマに基づいて、オリジナルな結婚式を計画する楽しさがあります。さらに、そうしたプランニングやコーディネーションに関する専門知識と経験、スキルは、他のイベント関連の仕事にも役立てられ、幅広いキャリアの形成につなげることができます。
収入について
正社員給料の一例(調査による目安)
・月給25〜35万円
・年収300〜400万円
※上記は平均的なもので勤務年数やスキル次第でこれを上回ることがあります
フードコーディネーター 食の演出家
資格取得にかかる期間(目安)
3級は半年〜1年程度
2級、1級は2〜3年程度
※学校やスクールのカリキュラムによって変わってきます
フードコーディネーターは、食に関するさまざまな知識をベースに、料理人や栄養士と協力してフードビジネスの企画を立てたりコーディネートを担当します。新メニュー開発やレストランのプロデュース、テレビやポスター、パンフレット撮影の補助など活躍の場は幅広く、食品関連だけでなくイベント企画を手がけることもあります。
クライアントは食品メーカーやレストラン経営者、テレビや雑誌のメディア関連などで、食の演出家として多種多様のオーダーにこたえていきます。
フードコーディネーターになるには
前提として食の専門家である必要があるので、食品や栄養、調理についてしっかり基礎を学びます。一般的には食に関しての学科・コースがある専門学校や大学、短大で学んだ後、レストランや食品商社に就職したり、プロのフードコーディネーターのアシスタントになるなどして経験と知識を積んでいきます。
フードコーディネーターになるために資格は必要ありませんが、日本フードコーディネーター協会主催の「フードコーディネーター資格」を取得しておくと、アピールにもなって夢に一歩近づけるでしょう。
最近では資格取得後、料理系ユーチューバーとしての活躍にチャレンジする人もいるようです。
最新の試験情報
日本フードコーディネーター協会
資格取得と試験
フードコーディネーター資格は、3級から1級までの3段階のレベルがあります。
認定試験は3級、2級、1級それぞれ年に1回実施されていて、2023年3月現在、3級合格者は約30,700人、2級合格者は約2,160人、1級合格者は約150人となっています。
3級は独学でも合格可能レベルですが、2級と1級は専門的に講師に学ぶのが合格への近道です。
【3級資格認定試験】
フードコーディネーターが身につけておくべき「食」に関わる4分野、「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」の幅広い知識が問われます。
【2級資格認定試験】
「食市場の動向とマーケティング」「商品開発」「レストランプロデュース」「ホスピタリティと食生活のサポート」「食の表現と演出」「フードプロモーション」「企画書作成の実際」など、フードビジネスに関わる専門知識と企画力が問われます。1次試験のほか2次として講座受講と課題提出が課せられます。
1次試験合格後は、「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」の3分野からひとつを選択してオンライン講座を受講します(2級2次資格認定講座)。受講後に企画書の課題を提出して、晴れて合格となります。1次試験の合格率は80〜85%程度と比較的高めです。
【1級資格認定試験】
プロとして活躍するのに必要な実践的な知識と技術が試されます。各分野のスペシャリストとの共同作業の中で、問題と解決法を見出し、的確な方向性を示す能力が求められます。1級試験の合格率は40〜50%程度で2人に1人が合格しています。
※ 1級を受験するには、2級認定登録された分野のみ受験が可能です
1次試験は書類審査、2次試験はプレゼンテーション・面接となります。
・1次試験「企画書審査」
3つの専門分野「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」より1つを選択し、企画書を提出します。試験は、締切日までに企画書を送付する方式なので試験会場に行く必要はありません。
・2次試験「プレゼンテーション・面接」
1次試験で合格となった企画書を使ってプレゼンテーションを行います。
自己アピール3分、プレゼンテーション15分、質疑応答10分(目安)
仕事の種類
フードコーディネーターは具体的には、以下のような業務を行います。
(1)メニュー開発
レストランやカフェ、食品メーカーなどのために新しいメニューアイテムを考案し、提案します。
(2)イベント企画
食に関するイベントやセミナーの企画、運営を行います。
(3)レシピ開発
料理のレシピを考案し、クライアントの要望やトレンドに合わせて調整します。
(4)料理技術の指導
調理技術や食材の扱い方を指導し、プロの料理人やアマチュア料理愛好家に向けたトレーニングを行います。
(5)ビジュアルコーディネーション
料理の盛り付けやプレゼンテーションにおける視覚的な要素を考慮し、料理のビジュアル面をコーディネートします。
(6)マーケティング
食品メーカーやレストランのブランド戦略やマーケティングに関与し、食品や料理の魅力を最大限に引き出します。
(7)メディア制作補助
テレビ番組や広告などの制作において、料理の演出やコーディネーションを担当します。
総合的に、フードコーディネーターは食品関連の様々な分野で幅広いスキルを駆使し、食に関するプロジェクトやビジネスを成功に導くお手伝いをします。
資格取得のメリット
フードコーディネーターは食品業界や飲食業界のさまざまなプロジェクトに関与します。レストランのメニュー開発からテレビ番組制作まで、幅広い分野で活動できる点が魅力です。新しいメニューの開発や料理のビジュアルコーディネーションなど、創造性を発揮する機会が多いので、食材やテーマに対して独自のアイデアを実現できることが、やりがいにつながります。
収入について
正社員給料の一例(調査による目安)
・月給25〜35万円
・年収300〜400万円
※上記は平均的なもので独立してフリーになれば年収500万円を上回ることも可能です