花の魅力を引き出すプロフェッショナル
フラワーデザイナーは、花や植物を使って美しいアレンジメントやデザインを作る専門家です。作品の種類は、花束、アーティスティックな植物ディスプレイ、イベント装飾など色々。百貨店の中や企業の受付などに見事な花の装飾がありますが、それらはまさにフラワーデザイナーの腕によるものです。
植物の種類、色、形、テクスチャを組み合わせてバランスの取れたデザインを考え、季節やイベントに合わせてテーマを設定し、花材を選び、創造的なアイデアで見る人を楽しませます。また素材として、花だけでなくコンテナや装飾品なども使い、独自の芸術作品を作り上げることも。
クリエイティブなセンスや色彩感覚が求められる一方、クライアントの要望や予算に合わせて作品を提案するスキルも必要です。フラワーデザイナーの仕事は、ウェディング、パーティー、企業イベントなど、多岐にわたります。花や植物の美しさを最大限に引き出し、特別な瞬間や場所に魅力を加える、花のプロフェッショナルです。
フラワーデザイナーになるには
生花店に就職するのが最も近道です。フラワーデザイナーと名乗るには必ずしも資格は必要ありませんが、スキルの証明として資格を取得しておくことは大切です。資格は、通信講座やスクールによるフラワーアレンジメント資格認定やよく知られたフラワーデザイナー資格検定があります。
ゼロからスタートする人は、資格取得の勉強を始めると同時に、生花店でアルバイトをしたり、花卉を取り扱う会社に就職するなどして、まずは花に触れることから始めるといいでしょう。昼間は生花店で働き、夜はフラワーデザインスクールの生徒、あるいは講師の助手などをしながら腕を磨く人も多くいます。実力と人脈が伴ったら独立もできます。
資格取得と試験
資格について
フラワーデザイナー資格検定試験は、公益社団法人日本フラワーデザイナー協会(NFD)が主催する花に関する認定制度です。NFDは1967年(昭和42年)に活動がスタート。50年以上の歴史があり、フラワーデザイナーに関する組織として唯一、公益社団法人として認定されています。フワラーデザイン業界では最も知られた団体です。
「花に親しみ、花を愛する人々にフラワーデザインを普及し、技術や知識の向上を目指す」理念のもと、花の好きな人であれば、いつでも誰でも資格に挑戦することができます。レベルは1級から3級まで。基礎から応用できる技術の習得、最終的には自分で花の魅力を最大限に引き出す力をつけていきます。
- 3級フラワーデザイナーは、技術と知識の基礎を学びます。
- 2級フラワーデザイナーは、基礎の上に充分な技術と知識を身につけます。
- 1級フラワーデザイナーは、3級、2級で身につけた基礎から、自分で考え創造する力を養うレッスンを受け、受験にチャレンジします。
フラワーデザイナー資格検定試験は、花の植生、つまり身の回りにある自然の花にスポットを当てています。試験のテーマは、「身近な花をやさしく見つめ、テーブルの上で考える」です。
資格取得にかかる期間(目安)
3級は半年〜1年程度
2級は1年程度
1級は1〜2年程度
※スクールに通う頻度によって変わってきます
資格の取得まで
フラワーデザイナー資格は、3級→2級→1級と段階的に取得していきます。試験ではフラワーデザイン全般に関する学科試験と、実技試験があります。
受験資格として、NFD講師もしくはNFD公認校から受験日の2カ月前までに受験に必要な履修単位を認定してもらう必要があります。3級の受験は単位は必要ありませんが、試験に向けて十分なレッスンを受けてから受験することをおすすめします。
ステップ1 スクールに入学
ステップ2 受験に必要な知識と技術の習得
ステップ3 3級受験、合格
ステップ4 3級正会員入会
ステップ5 3級フラワーデザイナー登録
ステップ6 昇級のための知識と技術の習得
1級を取得した後は、さらにNFD講師、NFD本部講師、NFD名誉本部講師等のステップアップがあります。
最新の試験情報、スクールの紹介は
公益社団法人日本フラワーデザイナー協会
フラワーアレンジメントを自宅で勉強したい人は
SARAスクールジャパン
メリット
花や植物を使って美しいアレンジメントをデザインすることで、自分のアイデアやセンスを思い通りに表現できる仕事です。また、自分の作品で喜びや感動を多くの人に提供できる点も大きな魅力です。友人や知り合いの結婚式のブーケ作りや式場飾りなどを手伝ってあげると大変喜ばれるはずです。
仕事の面では、生花店への転職・経営、フリーのレッスンプロ、スクール講師など、花にまつわる職業で収入を得ることができます。フラワーデザインのスキルは国や地域を問わず求められるため、自分の考え次第で、国際的なキャリアも追求できます。
収入について
生花店給料の一例(調査による目安)
・月給20〜30万円
・年収250〜350万円
※上記は平均的なもので経験値が上がれば500万円以上の収入も可能です
※ブライダル用のブーケ作成は1万〜2万円が相場になります
フラワーデザイナーの将来性
フラワーデザイナーは今後も高いニーズがあるでしょう。イベントやウェディング、店舗での需要は安定的にありますし、近年は花や植物を用いた独創的なアレンジメントが求められ、個性豊かな演出が重視されるようになりました。これらはフラワーデザイナーの専門的なスキルがないと対応できません。
また、持続可能なライフスタイルが注目される中、エコフレンドリーなアプローチを持つフラワーデザイナーへの需要も増えています。オンラインプラットフォームを活用した花材の販売やデザイン提案も拡大しており、花を扱う新たなビジネスチャンスが広がっています。
少し意外な活躍では、植物や花に関する知識を持つ専門家として、環境保護や自然に関するアドバイザーとしての仕事もあるようです。緑化活動や庭づくりなどに意見を求められるなど、スキルの応用は幅広い分野にわたっています。進化するトレンドと共に、クリエイティブな技術と環境への意識を持つフラワーデザイナー像が、今後は求められていきそうです。