【フードコーディネーターの資格】メリットと将来性。おすすめ勉強法

資格

食の演出家

フードコーディネーターは、食に関するさまざまな知識をベースに、料理人や栄養士と協力してフードビジネスの企画を立てたりコーディネートを担当します。新メニュー開発やレストランのプロデュース、テレビやポスター、パンフレット撮影の補助など活躍の場は幅広く、食品関連だけでなくイベント企画を手がけることもあります。

クライアントは食品メーカーやレストラン経営者、テレビや雑誌のメディア関連などで、食の演出家として多種多様のオーダーにこたえていきます。

フードコーディネーターになるには

前提として食の専門家である必要があるので、食品や栄養、調理についてしっかり基礎を学びます。一般的には食に関しての学科・コースがある専門学校や大学、短大で学んだ後、レストランや食品商社に就職したり、プロのフードコーディネーターのアシスタントになるなどして経験と知識を積んでいきます。

フードコーディネーターになるために資格は必要ありませんが、日本フードコーディネーター協会主催の「フードコーディネーター資格」を取得しておくと、アピールにもなって夢に一歩近づけるでしょう。
最近では資格取得後、料理系ユーチューバーとしての活躍にチャレンジする人もいるようです。

最新の試験情報
日本フードコーディネーター協会

資格取得と試験

フードコーディネーター資格は、3級から1級までの3段階のレベルがあります。
認定試験は3級、2級、1級それぞれ年に1回実施されていて、2023年3月現在、3級合格者は約30,700人、2級合格者は約2,160人、1級合格者は約150人となっています。

3級資格認定試験
フードコーディネーターが身につけておくべき「食」に関わる4分野、「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」の幅広い知識が問われます。

2級資格認定試験
「食市場の動向とマーケティング」「商品開発」「レストランプロデュース」「ホスピタリティと食生活のサポート」「食の表現と演出」「フードプロモーション」「企画書作成の実際」など、フードビジネスに関わる専門知識と企画力が問われます。1次試験のほか2次として講座受講と課題提出が課せられます

1次試験合格後は、「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」の3分野からひとつを選択してオンライン講座を受講します(2級2次資格認定講座)。受講後に企画書の課題を提出して、晴れて合格となります。1次試験の合格率は80〜85%程度と比較的高めです。

1級資格認定試験
プロとして活躍するのに必要な実践的な知識と技術が試されます。各分野のスペシャリストとの共同作業の中で、問題と解決法を見出し、的確な方向性を示す能力が求められます。1級試験の合格率は40〜50%程度で2人に1人が合格しています。
※ 1級を受験するには、2級認定登録された分野のみ受験が可能です

1次試験は書類審査、2次試験はプレゼンテーション・面接となります。
・1次試験「企画書審査」
3つの専門分野「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」より1つを選択し、企画書を提出します。試験は、締切日までに企画書を送付する方式なので試験会場に行く必要はありません。

・2次試験「プレゼンテーション・面接」
1次試験で合格となった企画書を使ってプレゼンテーションを行います。
自己アピール3分、プレゼンテーション15分、質疑応答10分(目安)

仕事の種類

フードコーディネーターは具体的には、以下のような業務を行います。

(1)メニュー開発
レストランやカフェ、食品メーカーなどのために新しいメニューアイテムを考案し、提案します。

(2)イベント企画
食に関するイベントやセミナーの企画、運営を行います。

(3)レシピ開発
料理のレシピを考案し、クライアントの要望やトレンドに合わせて調整します。

(4)料理技術の指導
調理技術や食材の扱い方を指導し、プロの料理人やアマチュア料理愛好家に向けたトレーニングを行います。

(5)ビジュアルコーディネーション
料理の盛り付けやプレゼンテーションにおける視覚的な要素を考慮し、料理のビジュアル面をコーディネートします。

(6)マーケティング
食品メーカーやレストランのブランド戦略やマーケティングに関与し、食品や料理の魅力を最大限に引き出します。

(7)メディア制作補助
テレビ番組や広告などの制作において、料理の演出やコーディネーションを担当します。

総合的に、フードコーディネーターは食品関連の様々な分野で幅広いスキルを駆使し、食に関するプロジェクトやビジネスを成功に導くお手伝いをします。

メリット

フードコーディネーターとしての仕事には多くのメリットがあります。

創造性の発揮
フードコーディネーターは新しいメニューの開発や料理のビジュアルコーディネーションなど、創造性を発揮する機会が豊富です。食材やテーマに対して独自のアイディアを実現できることが、やりがいにつながります。

多様なプロジェクト
フードコーディネーターは食品業界や飲食業界のさまざまなプロジェクトに関与します。レストランのメニュー開発からテレビ番組制作まで、幅広い分野で活動できる点が魅力です。

業界内のネットワーク構築
フードコーディネーターは料理人、栄養士、食品メーカーの関係者など、食に関わる専門家と交流する機会があります。業界内のネットワークを構築し、人脈と知識を増やしていくことができます。

具体的な成果
料理やメニュー、イベントの成功が具体的な形で表れます。自分のアイディアや努力が食事やイベントの質に反映されることから、達成感を得られます。

トレンドの追及
フードコーディネーターは常に食のトレンドや最新の流行に敏感である必要があります。新しい食材やスタイルを追い求めることで、自身の知識やスキルを向上させることができます。

柔軟なスケジュール
プロジェクトごとに異なる仕事のスケジュールが設定されるので、柔軟な働き方が可能です。フリーランスとして活動する場合は、自身の都合に合わせてスケジュールを調整しやすいメリットがあります。

収入について
正社員給料の一例(調査による目安)
・月給25〜35万円
・年収300〜400万円
※上記は平均的なものでフリーになれば年収500万円を上回ることも可能です

フードコーディネーターの将来性

フードコーディネーターとしての仕事は、食品産業や飲食業界の成長と変化に影響される要素がありますが、一般的に将来性は高いと言われています。
近年は健康志向や特定のダイエット、食物アレルギーなどに注目が集まり、個々のニーズに合わせた食事の提供が求められています。これらの要求に応じたメニューや食事プランを開発するには、プロの知識と技術が必要不可欠です。

またSDGsの理念のもと、食における環境への配慮や持続可能性が重視される中で、地産地消によるローカルフードムーブメントが全国的に推進されています。そうした時代の志向にあわせた食品提供の取り組みを自治体イベントなどに提案し、場合によってはイベント自体を企画することも可能です。フードコーディネーターの活躍の場は、実力次第で無限に広がります。