カラーコーディネーターは、色彩に関する専門知識を持ち、色の組み合わせや配色のアドバイスを行うプロフェッショナルです。役割として、ファッション、ブライダル、インテリア、グラフィック、プロダクトデザイン、広告など、さまざまな分野で活躍しています。
色彩に関する職業は世界中に存在していて、従事者はカラースタイリストやカラーコンサルタントとも呼ばれています。
カラーコーディネーターの業務内容
- 色彩提案: クライアントのニーズに応じて、最適な色の組み合わせを提案します。これには、商品のデザイン、店舗の内装、広告のビジュアルなどが含まれます。
- 色彩心理学の活用: 色が人の感情や行動に与える影響を理解し、効果的に利用します。例えば、リラックスできる空間を作りたい場合は、穏やかな色合いを使用するなど。
- トレンドの把握: 最新の色彩トレンドや流行を把握し、それをクライアントのプロジェクトに反映させます。
- 技術的知識の提供: 色に関する技術的な知識(色相、彩度、明度など)を持ち、それを基に正確なアドバイスを行います。
- カラースキームの作成: 色のバランスを考慮し、調和のとれたカラースキーム(配色)を作成します。これには、補色、類似色、トライアド、テトラードなどの配色理論が活用されます。
日本では、色彩検定などの資格試験を通じて、カラーコーディネーターとしての知識と技術を認定する制度があります。資格を取得すれば、個人の色彩に関する知識の証明になり、専門職としての信頼性を高めるのに役立ちます。
主な試験の種類
色彩検定
色彩検定は文部科学省後援の検定試験です。これまで約170万人が受験している人気の試験です。試験は公益社団法人色彩検定協会によって毎年6月と11月に実施されています。全国約400会場で試験が行われるため、試験会場へのアクセスが比較的容易で受験しやすい特徴があります。
基本的に3級から1級まであり、2級と3級の合格率は7割を超える傾向があります。2018年の冬からは新たにUC級(ユニバーサルデザイン級)が加わりました。これは弱い色覚や高齢による視機能の低下などに配慮できる知識を問うものです。学習期間の目安は1級は約3カ月、2級は約2カ月、3級は約1カ月です。
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公益社団法人 色彩検定協会
カラーコーディネーター検定試験
色彩検定と並んで知名度が高いカラーコーディネーター検定試験は、東京商工会議所によって毎年6~7月頃と10~11月頃に実施される検定試験です。カラーコーディネーター検定試験は専門的・理論的な内容を含み、仕事に役立つ実践的な知識を身につけられます。会社で工業デザインに関わる方の受験も多い資格です。
カラーコーディネーター試験は、基礎知識中心の「スタンダード」と応用力が必要な「アドバンス」の2種類があり、スタンダードの合格率は約70%、アドバンスの合格率は約50%です。
学習時間の目安は1〜3ヶ月。公式テキストが販売されていて、独学でも十分に合格可能です。
受験は全国各地のテストセンターのほか、自宅のパソコンでの受験も可能です(IBT方式)
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東京商工会議所 カラーコーディネーター検定試験
パーソナルカラリスト検定
一般社団法人日本カラリスト協会が主催する、「人と色」に着目した色彩知識と配色調和を身につける資格試験です。毎年2月、7月、11月に試験が実施されます。専門知識をもとに色を自在に活用することで美と印象を演出する色彩の専門家を目指します。メイクやファッション、ネイルなど、実生活のさまざまなシーンで活用が可能です。
検定試験は3級から1級まであり、2級からの受験や2級・3級の併願受験は可能ですが、1級受験は2級取得者のみに限られます。
問題は「パーソナルカラリスト検定公式テキスト」「パーソナルカラリスト検定公式テキスト」を中心に出題され、独学での資格取得が可能です。試験会場は東京、大阪などの一般会場のほか、 全国で約190あるWEB試験(CBT試験)会場で受験できます。3級は自宅でのペーパーテスト受験も可能です。
合格率は3級が75%、2級が70%、1級は1次、2次ともに50%前後。難易度としては3級と2級は比較的やさしく、1級は普通レベルです。勉強時間は3級は1カ月、2級と1級は2カ月程度です。
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一般社団法人 日本カラリスト協会
資格のメリットと可能性
色の違いによって物や人、風景の印象は変わり、商品では売り上げも大きく変わってきます。身近な印象の違いの例では、街中を走る車です。車体の色によって受け取るイメージが異なり、おしゃれに感じたり、カッコよく見えたり、誰が見ても仕事の車と分かる色合いだったり。私たちの生活は色彩によって左右されていて、気付かないうちに見る対象を評価する指標になっています。
カラーコーディネーターは、視覚的な美しさと機能性を両立させるために欠かせない存在であり、その専門知識は多くの分野で必要とされています。現在の仕事や生活の質を向上させることができ、活躍できる可能性は大きいといえるでしょう。